ボランティア活動

東京で1年間のボランティアをしました。

私は25歳の時、1年間のボランティアを経験しました。
それは地元を離れ、初めての土地で住み込みのボランティアを行う、という若者向けのボランティア組織が運営するものでした。
私はその頃大学でパートの事務職員をしており、夏休みの学生がぱったりと消えた静かな廊下の片隅にある掲示板に、そのボランティア募集のポスターを画鋲で留めていました。

 

そのポスターの何が私を突き動かすことになったのか、今でもよく分からないのですが、私は10月に「来年の更新はしない」ということを事務長に伝え、退職しました。
私の派遣先は、東京でした。
それは第2希望で書いていた場所でしたが、私は子供の頃から「人生一度は東京に住んでみたい」という願いを持っていました。
それがボランティアに参加することで、叶えられたのです。

 

その街は、新宿まで特急で15分という便利な場所にありました。
私はその街で、3~4歳の小さな子供たちの面倒を見る、保育士の補助的な立場でボランティアをすることになりました。
ここは虐待や育児放棄など、様々な理由で親と一緒に暮らせない子供たちが集団で生活をする施設です。
私は今までそのような立場に置かれた子供がいるということを、ほとんど知らずに過ごしてきました。
その施設の一角に、ボランティアが住む建物があり、私は活動を終えるとその場所へ帰ります。
ボランティアと言っても、家賃や光熱費は施設が負担してくれています。

 

私の家族が私の様子を見に、施設へ来てくれたことがありました。
その時、私が面倒を見ていたうちのひとりの子が、私の名前を大きな声で呼んでくれたのです。
でも私は振り返ることができませんでした。
その子は自分の親に会うことができないのに、25歳の私はそれが可能な場所にいる・・・。
そのことが、私をひどく傷つけたのです。

 

施設の職員に、「結婚しないの?」と聞かれたこともありました。
適齢期なのに、あなたは何をしているの?と言われたような気がしました。
私は現在33歳ですが、今でもあの1年間は不思議で何ものにも代えがたい、忘れられない
大切な場所になっています。